2011年1月31日月曜日

静岡なう

1泊2日の研究所の合同リトリートに参加しています。違うキャンパスで研究している人や、同じキャンパスでも違う研究センターで働いている人とは普段なかなか出会うことがないので、こういう機会は面白いですね。行きの道中は天候に恵まれて、富士山と駿河湾がきれいでした。

2011年1月30日日曜日

研究所を陰で支える人々

研究所の門には、週末でも夜遅い時間でも、必ず守衛さんが立っていてくれています。

特に今の季節は寒くて大変だろうとは思うのですが、私たちが安全に研究できるのも、こういう人たちの地道な努力のおかげです。

2011年1月29日土曜日

ダイクロイックミラーで蛍光を分けるとき・・・

透過側と反射側でその蛍光シグナルの損失は均等ではありません。

一般に反射側の波長の反射率は95%以上、透過側の透過率は85%程度ですから、(検出器の配置などの要因が許す限り)、ショートパスあるいはロングパスのいずれかを適切に選択することによって、より高い感度での検出が必要な波長を反射側にする方が、蛍光の損失が少ないということになります。

2011年1月28日金曜日

私の好きな本 その3

「実験医学」のエッセイでも紹介したんですが、夏目漱石の『私の個人主義』は素晴らしい講演です。読むたびに精神が高揚するというか、漱石本人に励まされている気がします。

著作権が切れているので青空文庫でも読めますが、一冊買うなら講談社学術文庫のものがおすすめです。同時に収録されている他の講演も一読の価値があります。

この講演を読むと、漱石は講演がものすごく上手だっただろうなと想像ができます。序盤はふらふらと、なにやら本題と関係ない話をしているようにも聞こえるのですが、途中あるときに一気に物事の核心に迫るような話の構成をしています。言葉の畳み掛け方が、聴衆の心に迫るものがありますね。

夏目漱石は、明治という時代に、近代日本の文明について真剣に考えた人です。特に西洋との関わりについて書いた文章は、現代の日本の状況にもそのまま当てはまる気がします。読んでいて全然古さを感じさせません。ほんものの「普遍」とか「古典」って、こういうものなんですね。

2011年1月26日水曜日

お知らせ その2

羊土社の依頼で執筆したエッセイ「研究における自己主張とリーダーシップ」が、実験医学の最新号(2010年2月号)の"Opinion"欄に掲載されています。ご興味のある方は一読していただければ幸いです。

2011年1月25日火曜日

議論では。。。

大局観を失わない、ということは大事ですね。局所最適な解が、必ずしも全体最適とは限りません。

2011年1月24日月曜日

For your happy pulling...

ガラスピペットを引くのにSutterのプラーを使っている研究室は多いと思うんですが、実のところパラメータ設定を「経験」に頼って行っていることが、多いのではないでしょうか?

Sutterのウェブサイトからダウンロードできる”P-1000 & P-97 Pipette Cookbook”は、さまざまな実験に用いるためのピペット作製の実例や、安定して同じ形状のピペットを作るための小技がたくさん載っていて、おすすめです。

2011年1月23日日曜日

祈りの文学

井伏鱒二の『黒い雨』、素晴らしい小説ですね。大江健三郎も自身の講演の中で、この小説は「日本人の祈り」であると絶賛しています。原爆の悲惨さが、淡々と、けれども人間に対する信頼や未来に対する希望を失うことなく、描かれている。

井伏鱒二は小説家になる前に画家を志していたというだけあって、ちょっとした自然の描写が、読み手の視覚的イメージを喚起するような、美しい言葉で書かれています。そして、それが物語のメタファーとして上手に使われている。ところどころにちりばめられた井伏氏独特のユーモアにも、思わずとホッとさせられます。

2011年1月22日土曜日

外国人が日本で暮らす苦労

うちの近くに中国人がやっている中国料理(正確には四川料理)店があって、料理も本場の味付けで美味しくて安いので、よく宅配を頼むのですが、こちらが電話で名前と住所と注文を伝えると、向こうは日本語を一度で聞き取るのが大変らしく、お互い何度も意思疎通の内容を確認しないと正確な伝達ができないんですね。

私も何年か外国で暮らした経験があり、電話で外国語のコミュニケーションを取ることが簡単ではないことは身をもって経験しているので、向こうが注文を正確に復唱できるまで辛抱強く(こちらも美味しいご飯にありつきたいという希望もあるので)注文を繰り返しているのですが、このお店、せっかく料理はおいしいので、短気な客のせいでつぶれることなくがんばってほしいなあ、と、妻とともにひそかに応援しています。

2011年1月21日金曜日

論文1/21/11

Science
The Neural Basis of Intuitive Best Next-Move Generation in Board Game Experts 
X. Wan et al. 


Siah Regulation of Pard3A Controls Neuronal Cell Adhesion During Germinal Zone Exit
J. K. Famulski 
et al. 



Spontaneous Cortical Activity Reveals Hallmarks of an Optimal Internal Model of the Environment
P. Berkes 
et al. 



Electrical Synapses Control Hippocampal Contributions to Fear Learning and Memory
S. Bissiere 
et al. 



Quantitative Analysis of Culture Using Millions of Digitized Books
J.-B. Michel 
et al. 



Writing About Testing Worries Boosts Exam Performance in the Classroom
G. Ramirez and S. L. Beilock 



Human Tears Contain a Chemosignal
S. Gelstein 
et al. 



Nature
Reversing pathological neural activity using targeted plasticity
Navzer D. Engineer, Jonathan R. Riley, Jonathan D. Seale, Will A. Vrana,
Jai A. Shetake et al.



A selective role for dopamine in stimulus-reward learning
Shelly B. Flagel, Jeremy J. Clark, Terry E. Robinson, Leah Mayo,
Alayna Czuj et al.



Nature Neuroscience
Characterization of the proteome, diseases and evolution of the human
postsynaptic density
Alex Bayes, Louie N van de Lagemaat, Mark O Collins, Mike D R Croning,
Ian R Whittle, Jyoti S Choudhary and Seth G N Grant



Transient neuronal inhibition reveals opposing roles of indirect and
direct pathways in sensitization
Susan M Ferguson, Daniel Eskenazi, Masago Ishikawa, Matthew J Wanat,
Paul E M Phillips, Yan Dong, Bryan L Roth and John F Neumaier



Perinatal photoperiod imprints the circadian clock
Christopher M Ciarleglio, John C Axley, Benjamin R Strauss, Karen L Gamble
and Douglas G McMahon



The columnar and laminar organization of inhibitory connections to neocortical
excitatory cells
Dennis Katzel, Boris V Zemelman, Christina Buetfering, Markus Wolfel and
Gero Miesenbock



Auditory cortex spatial sensitivity sharpens during task performance
Chen-Chung Lee and John C Middlebrooks



Hippocampal brain-network coordination during volitional exploratory behavior
enhances learning
Joel L Voss, Brian D Gonsalves, Kara D Federmeier, Daniel Tranel and Neal J Cohen



PNAS
Visual influence on path integration in darkness indicates a multimodal representation of large-scale spaceLili Tcheang, Heinrich H. Bülthoff, and Neil Burgess



Nature Protocols

In vivo two-photon imaging of sensory-evoked dendritic calcium signals in cortical neurons

Hongbo Jia, Nathalie L Rochefort, Xiaowei Chen and Arthur Konnerth

2011年1月19日水曜日

ものの好み

モノというのは使ってみると、どんなものでも使いやすいところと使いにくいところがでてきますが、使いにくい部分も含めて、「まあいいか」と許せるというのが、本当に「気に入っている」ということの証拠かもしれません。

私自身は、どちらかといえば、平均してソツがない優等生的なモノよりも、多少欠点はあるけど、他にない長所をもった個性的なモノのほうが好きですね。

2011年1月17日月曜日

研究における「攻め」と「守り」

研究はいつも一定のペースで進むとは限りません。やればやるだけデータがでるときもあれば、じっくり考えて足元を固めなければいけない時期もあります。

研究というのは、短期的に見れば波があっても、後から長期的な目で振り返れば、たいていは着実に進んでいるものです。

2011年1月16日日曜日

『日本人はなぜ戦争へ向かったのか』

急な用事で九州に行き、帰ってきてすぐ東京に出かけてと、この3日間あわただしく過ごしました。

先週から4回シリーズで始まったNHKスペシャル『日本人はなぜ戦争へ向かったのか』、非常におもしろいです。今夜は第2回の放映がありました。自分が今まで生きてきた現代の日本の社会というものを考える上で、太平洋戦争とその敗戦は非常に大きなカギになる出来事だと思うんですが、「日本はなぜ戦争をしたのか?」は、まさに私が知りたいことそのものです。日本型組織の病理を知る上で、最も象徴的な疑問と言えます。

日本人がみんなで物事を決めようとすると、奇妙な方向に議論が迷走してしまって、最後に誰も望んでいない結果に落ち着いてしまうことって、しばしばあると思うんですが(最近は特に政治で顕著ですが・・・)、日本人の集団が示すそういう摩訶不思議な力学は、きちんと理解しておかないといけません。

2011年1月12日水曜日

「自発的である」ということ

リコーダーの先生がレッスン中によく言われることの中に、「やらされる演奏をするのではなくて、やりたい演奏をする」というのがあります。

楽譜に書いてあるアーティキュレーション(もともとの曲にはなかったものを、後代の楽譜の出版者や編集者が付け加えたものが結構多い)をそのまま信じるのではなく、リコーダーという楽器の特徴を考えて、音楽的に一番自然に思える演奏を、自分の頭と耳を使ってする、ということなんですが、研究も同じですね。それを行う者にとって、動機は外からではなく、内的必然から来るものでなくては、良いものはできません。

2011年1月10日月曜日

カジメンサイエンティスト

妻が広島に住む方から美味しい牡蠣を送っていただいたので、今晩はカキの炊き込みご飯をつくりました。

土鍋にお米とカキの煮汁を加えてご飯を炊き、炊きあがったらカキを加えて蒸らして、刻んだミツバを混ぜれば出来上がりです。カキの旨味でご飯がおいしく炊きあがりました。

料理は実験と違い、終わった後に「結果」を食べられるのがいいですね。今日もごちそうさまでした。

2011年1月9日日曜日

私の好きな本 その2 

ジャン・ジオノの『木を植えた人』は、何十年もの間、たった一人で木を植え続け、ついには荒地を豊かな森に変えた老人を描いた短い物語ですが、これも私の好きな本の一つです。

ある種の人間がもつ「静かに持続する意志」というのかな。そういえば、マザーテレサも「目の前の一人を助けること」の大切さを説いています。


2011年1月7日金曜日

「七人の侍」追記

昨日「七人の侍」について書いたついでにもう一言。

劇中に登場する7人の侍たちは、みな異なる個性をもち、それぞれが大変魅力的に描かれているのですが、そんな彼らをまとめるリーダーが、志村喬の演じる勘兵衛という、7人の中で最も年長の浪人です。

この勘兵衛が物語中の要所要所で卓抜なリーダーシップを発揮します。それも映画の大きな見どころですね。

2011年1月6日木曜日

良いスライドプレゼンテーションのためのヒント

良いスライドプレゼンテーションをつくるヒントは、ちょっと意外かもしれませんが、いろんな映画を見ることですね。ちなみに、ここで言う「ヒント」とは、即効性をもつものではなくて、どちらかというと「センスを磨く」ためのものです。

例えば、スピルバーグの「E・T」で、主人公のエリオット少年がETをカゴに乗せて空を飛ぶ有名なシーンがあります。このシーン(特に少年のグループが警官たちに追われる2度目のシーン)を見ると、見ている方も自転車が浮いた瞬間にある種の高揚感を感じると思います。

スピルバーグはこのように、自転車を完璧なタイミングで飛ばしているのですが、彼がこの一連のシークエンスに込めた計算とは何かと改めて考えてみると、視覚的効果が人間の感覚や感情に与える影響について、何か有用なヒントが得られるかもしれません。

同じようなことは、例えば黒澤明の「七人の侍」の序盤の久蔵の決闘シーンにも言えますね。これをみると思わず引き込まれませんか?黒澤という映画監督の凄さがわかります。

2011年1月5日水曜日

今年の干支は・・・

世間ではウサギということになっていますが、極私的には「今年はカピバラ年」ということで、お正月の3日には、妻と東松山の「埼玉県こども動物自然公園」に行ってきました。カピバラが温泉に入るのが見られると話題の動物園です。

カピバラは南米にすむ世界最大の齧歯類です。ぶっちゃけ、マウスやラットと同類、ってことになりますね。

温泉に入るカピバラは超カワイイ。一番大きなお父さん(?)も悠々と気持ち良さそうだったけど、温泉のお湯が流れてくるベストスポットの浴槽の縁に、いつまでもほっぺたをくっつけているカピバラのこどもが、爆笑モノでした。


温泉に入るカピバラさんたちを見て温泉に入りたくなったら、動物園から東京方面に帰りがけに車で寄れる「サイボク天然温泉まきばの湯」がおすすめです。隣接するサイボク本店のレストランの食事も、お肉にこだわりのある会社だけあって、おいしかったです。

2011年1月4日火曜日

あけましておめでとうございます

お正月は基本的に、おせちを食べて家でのんびり過ごしました。それから、ふだん時間がとれなくて読めなかった本などを読む機会になりました。マルクス・アウレリウスの「自省録」のようなストア哲学も、処世訓として自分の身に置き換えて読めば面白いですね。

マルクス・アウレリウスとはローマのカンピドーリオ広場に像のある、あの人です。タルコフスキーの「ノスタルジア」でドメニコがその上で焼身自殺を遂げる、あの像ですね。

それからお正月のテレビでは、NHKでまとめて放映していたサンデル教授の「ハーバード白熱教室」も面白かったです。取り扱っている内容自体(政治哲学、倫理学)も興味深いけど、あんなふうに聴衆をひきこめる授業ができる教師としての力量というのはものすごいです。私はふと、大学院時代にモグリで聞いていた科学哲学の授業を思い出しました。

その講義の担当の先生は、いくつもの著書がある有名な方だったのですが、いつも明快で面白い(=interestingかつentertaining)授業をするので、私は毎回楽しみに聞いていました。履修登録もしていないのに、課題のレポートを提出していたくらいです。

今年は、忙しさにかまけず、ちゃんと本を読む時間を作る、というのも、目標の一つにしたいと思います。