2010年11月30日火曜日

時代は変わる

私は以前は物事に白黒つける方が好きでしたが、ここにきて、物事にはあいまいなままに残しておいた方が良いものもあるのだ、ということがわかってきました。成熟と言えば聞こえはいいですが、ただ単に歳をとっただけなのかもしれません。

ボブ・ディランの歌に"The Times They Are a-Changin'"というものがあります。今聞いても、1960年代の政治的変革の雰囲気をうまく表現している歌ですが、歌詞が素晴らしいですね。「そうだよなあ」と共感せずにはいられません。

2010年11月28日日曜日

論文11/28/10

PLoS Computational Biology
Reconstructing the Three-Dimensional GABAergic Microcircuit of the Striatum
Mark D. Humphries, Ric Wood, Kevin Gurney


Frontiers in Computational Neuroscience
Spike-timing dependent plasticity and the cognitive map 
Daniel Bush, Andrew Philippides, Phil Husbands and Michael O’Shea



Frontiers in Neuroanatomy
Inputs to the dorsal striatum of the mouse conserve the parallel circuit architecture of the forebrain 
Weixing X. Pan, Tianyi Mao and Joshua T. Dudman



PLoS One
Two-Photon Imaging of Calcium in Virally Transfected Striate Cortical Neurons of Behaving Monkey
Barbara Heider, Jason L. Nathanson, Ehud Y. Isacoff, Edward M. Callaway, Ralph M. Siegel

2010年11月27日土曜日

サイタマ愛

昨日は埼玉県議会の議員さんたちが20名弱ほど研究所に視察に訪れました。私は、研究所を代表して、というわけではありませんが、サイタマ県出身ということもあり、セミナー室で20分ほど自分の研究の話をする機会をいただきました。

議員さんというのは何事にも熱心ですね。二光子顕微鏡と脳の回路についての話も興味をもって聞いていただきました。特に教育や医療のことについては関心が高いのか、そうした分野の関係に関する質問をいただきました。今まで高校生に研究の話をすることは何度かありましたが、政治家の先生方に話すのは初めてだったので、良い勉強になりました。

そういう私のサイタマ愛のあらわれというわけではありませんが、週末は妻と森林公園に紅葉を見に行きました。森林公園は小学校の遠足以来30年ぶり(?)くらいに入園しましたが、自然が豊かでほっとしますね。先週のSfNで今年の大きな研究関連の行事は終わったので、久しぶりにゆったりとした休日を過ごすことができました。

2010年11月25日木曜日

おめでたい科学者

小学生の頃、今では「ファーストガンダム」と呼ばれる『機動戦士ガンダム』を見て育った世代の私にとって、科学者とか技術者という人たちに対するイメージに少なからず影響を与えているのが、実は主人公アムロ・レイの父、テム・レイだったりします。

このアムロの父ちゃんテムは、もともとはガンダムの生みの親である優秀な技術者なんですが、サイド6でアムロが再会した父は、サイド7で負った酸素欠乏症のために脳がやられちゃってて、自分が開発した時代遅れのパーツを「こいつをガンダムの記憶回路にとりつけろ。・・・すごいぞ、ガンダムの戦闘力は数倍に跳ね上がる。持っていけ、そしてすぐ取り付けて試すんだ」とアムロに差し出す、非常に印象的なシーンがありますね。そしてその後のガンダムの戦闘をTV で観戦して狂喜する父ちゃんが、ちょっと痛い。

うーん、なんかね。顕微鏡の新しいパーツを試したりするときに、なんとなくアムロの父ちゃんのことを思い出すのでした。

2010年11月23日火曜日

創造へのファサード

今日はリコーダーのレッスンが東京郊外の先生の自宅でありました。マルチェロやバルサンティ、それからレイエなど、イタリアとフランスのバロックのソナタをやりました。技術的には私にちょうど良いです。吹いていて楽しいという感じです。

今回のアメリカ出張で見学した研究室のうち、一番印象的だったのはソーク研究所です。ソークを訪れたのは2回目で、今回は計算論的神経科学で有名な某研究者の研究室を訪問したんですが、隣の研究室との境界があいまいで(私がいたUCSFもそうですが)、研究者同士の自然な交流が生まれるようになっています。PIのもつカリスマのせいか、カーンの建築による魔力かわかりませんが、研究室の雰囲気が開放的で、何か創造的なことが起こりそうな感じが漂っていました。私も独立したら、あのような雰囲気をもった研究室を作りたいと思います。

2010年11月22日月曜日

帰国しました。

サンディエゴでのSfNの後にサンフランシスコに立ち寄って、UCSFの元・所属研究室と、UCバークレーの友人の研究室を2つ訪ねました。バークレーでは大脳皮質の可塑性を研究している2つの研究室を訪ねたのですが、技術的な面で非常に勉強になりました。

サンフランシスコの街中を歩いていると、そこに住んでいたのはつい1年半前なんですが、なんだかその頃のことは、自分の中で、もう既に過去の話になっているんだなという気分になりました。人は新しい人生の方向に進むたびに、かつて居た場所にはいつでも戻れると思いながら、やっぱり一度踏み出してしまったら、なかなか過去には戻れないものです。人生に対する考え方は人それぞれだと思いますが、私の場合は基本的に一方通行です。一度始めたら、何かに突き当たるまで進むしかありません。

2010年11月18日木曜日

SfN2010終了

今回の学会は情報収集の面でも非常に得るものが大きかったです。世界の研究の流れが加速するなかで自分の研究の存在感をどう示したらいいのか、今回得た情報を元に、次の1年を考えたいです。

ところで、今回の学会会場で著名な「脳科学者」である茂木健一郎氏の姿を見かけました。いつもの黒い服ではなく、茶色のTシャツをお召しでした。会場の隅に座り、パソコンに向かって何か仕事のようなものをされていたので、声はおかけしなかったんですが、テレビで見たことがある姿を現実に見かけるときの脳の働きっていうのは、モギケン的に説明すると「アハ」っていう感じですか。

2010年11月17日水曜日

ポスター発表@SfN2010

今日の午前にポスター発表をしました。結果はまだ非常に予備的なんですけど、自分たちがどういうことをしていて、どういう方向に進もうとしているかを、世界中から集まった研究者に知ってもらえる機会になったので、とりあえず発表してよかったなと思っています。

観客の中には、積極的に質問してくれた方、ミニポスターのリクエストをしてくれた方、アメリカで研究していたときの友人たち、通りすがりにチラ見していく方、いろんな方がおられました。今回の発表が、当該分野の研究の発展につながれば良いなと思っております。来年はもっと良いデータが出せるようにしたいです。

2010年11月16日火曜日

はやぶさの快挙

探査機「はやぶさ」が持ち帰った微粒子に小惑星イトカワのものが1500個も含まれていたというニュースはすごいですね。読んで鳥肌が立ちました。

SfN2010は引き続き面白い発表が続いています。今回の学会からはメモを大判のノートに書くのではなく、モレスキンのソフトカバーの縦型の手帳(Reporter style pocket notebookと呼ばれる新聞記者が使うような形のもの)を使うことにしました。これは非常に使い勝手がいいです。学会での情報の収集と管理がずいぶんし易くなりました。

2010年11月15日月曜日

SfN2010@San Diego

サンディエゴのSfNに来ています。全体的な活気は昨年のほうがあった気がするんですが、いくつかのポスターは極めて高いレベルの研究をしています。日本の研究とは別次元です。

やっぱりこういうところに出てきて、厳しい中で揉まれないといけませんね。日本の居心地の良さに慣れてしまったら、研究者としては終わりかも。。。

2010年11月10日水曜日

神戸の『罪と罰』

神戸の海上保安官が中国漁船衝突の映像を流出させたと名乗り出たそうですが、まるで『罪と罰』のラスコーリニコフの自首を思わせます。

ラスコーリニコフはいわば「選ばれた人間はより大きな正義のためなら法を踏み外しても許される」という独自の理論でもって老婆殺しの犯行に及んだわけですが、この海上保安官が、どういう動機でもって「機密映像」の流出に及んだのかというのは、ちょっと興味深いです。

一連の問題に対する政府の対応に批判が集まっていますが、櫻井よしこ氏の言説はもっともな気がします。

2010年11月9日火曜日

ちょっといいこと

先日、理研を訪問した福島県の高校の生徒さんに脳科学の講義をさせていただいたんですが、今日はその学校の校長先生から丁寧なお礼状が届きました。研究者って普段こういうお手紙をいただくような機会があまりないだけに、とてもうれしいですね。励みになります。

2010年11月8日月曜日

道楽と職業

研究者にとって質と量の両面で一番仕事がはかどるのは、自分のペースで仕事ができているときです。夏目漱石も『道楽と職業』という講演の中で、「芸術家と学者は、わがままだからこそその道で成功する。彼らに己を捨てさせることは、彼らを殺すのと同じ結果になる」という趣旨のことを述べています。

私はわがまま、というのとはちょっと違うかもしれないけど、仕事を進める上でマイペースは貫きたいと思っています。これは研究の生命線です。

日本の現在の「外交」問題について、朝日、読売、毎日の社説を読み比べたりすると、それぞれ微妙に異なったスタンスをとってるのがわかって面白いんですが、意外と歯に衣着せない言論をしているのは、この「三大」よりも、むしろ産経新聞ですね。それから産経は最近、裁判員裁判の実況にも力をいれていて、押尾学事件や耳かき店員殺人事件など注目の裁判の様子も、他の新聞より詳しくウェブで読める。なかなか面白いですね。

2010年11月6日土曜日

存在の耐えられない軽さ

来週はサンディエゴで学会です。毎年おびただしい数の参加者と演題を見ると、自分の研究なんて風が吹けば飛ぶような軽さしかないなという気分になります。

以前書いた手帳とノートの活用術は、良い方法を見つけました。継続したら人生が一変しそうですね。こんなに良いものなら、もっと早くからやっておけばよかったと思っています。

論文11/6/10

Neuron
Ultrastructural Analysis of Hippocampal Neuropil from the Connectomics Perspective
Y. Mishchenko, T. Hu, J. Spacek, J. Mendenhall, K.M. Harris, and D.B. Chklovskii


Neural Activity in Barrel Cortex Underlying Vibrissa-Based Object Localization in Mice
D.H. O'Connor, S.P. Peron, D. Huber, and K. Svoboda




Spatial Representation along the Proximodistal Axis of CA1
E.J. Henriksen, L.L. Colgin, C.A. Barnes, M.P. Witter, M.-B. Moser, and E.I. Moser




Science
Dendritic Discrimination of Temporal Input Sequences in Cortical Neurons
T. Branco 
et al. 



Greater Neural Pattern Similarity Across Repetitions Is Associated with Better Memory
G. Xue 
et al. 



Cell Type–Specific Loss of BDNF Signaling Mimics Optogenetic Control of Cocaine Reward
M. K. Lobo 
et al. 



Nature Methods
Scanless two-photon excitation of channelrhodopsin-2
Eirini Papagiakoumou et al.



Nature
Functional connectivity in the retina at the resolution of
photoreceptors
Greg D. Field et al.



Cell
EphB-Mediated Degradation of the RhoA GEF Ephexin5 Relieves a Developmental Brake on Excitatory Synapse Formation
S.S. Margolis, J. Salogiannis, D.M. Lipton, C. Mandel-Brehm, Z.P. Wills, A.R. Mardinly, L. Hu, P.L. Greer, J.B. Bikoff, H.-Y.H. Ho, M.J. Soskis, M. Sahin, and M.E. Greenberg

Ube3aシグナリングに関する続報


PNAS
Divergent and nonuniform gene expression patterns in mouse brain
John A. Morris et al.

2010年11月5日金曜日

ビデオ流出に思う

海外に暮らして日本という国を外から眺めた経験のある人だったらわかると思うんですが、今回の尖閣諸島の中国漁船衝突ビデオ流出のような事件があると、日本という国も、国民がこういう重要な情報にアクセスできないよう統制されている国なんだなと再確認します。

ま、どの国も似たり寄ったりで程度の問題と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、自分たちの不自由さ(=自由の限界)というものを、ときどき認識することっていうのは、権力に飼い慣らされないためにも大事な気がします。

2010年11月3日水曜日

ミクロコスモス

仕事のほうで、ちょっとしたブレイクスルーがありました。これはすごい。何かというのはナイショです。ごめんなさい。

2010年11月2日火曜日

平成22年のブルース

ザ・ブルーハーツ時代に真島昌利が書いた『平成のブルース』。これは名曲っていうか、特に歌詞が秀逸ですね。世の中って、ホントここに書かれているようにバカバカしいなと思わずにはいられません。いろんな意味で。

2010年11月1日月曜日

シイタケとともに生きる

先日、妻と東急ハンズに行ったときに、森産業株式会社という会社が出している「もりのしいたけ農園」という、きのこ栽培キットを買ったのですが、これが凄い。

栽培ブロックから、しいたけがニョキニョキと生えてきて、毎日見る見る大きくなる。今日我が家では初収穫してソテーにして食べたのですが、とれたての生しいたけは、めちゃくちゃウマい。こんなうまいシイタケが2人で食べきれないくらいどんどん生えてくる。キノコ好きの妻は狂喜しています。というわけで、これはおすすめです。